
原油マーケット情報2020年7月(アーカイブ)
オイル・リポート
2020/07/31 NYMEX WTI 2020年9月限:40.27$/bbl ↑+0.35$/bbl
7月31日は反発。午後に発表した石油会社ベーカー・ヒューズのリグ稼働数が小幅ながら減り、減少基調を維持していると受け止められたこと、前日に約3週ぶりの安値を付けた後で週末を控えた持ち高調整の買いも入りやすかったことで買われた。ただ、31日にミシガン大学が発表した7月の米消費者態度指数(確報値)が3カ月ぶりの低下となり、市場予想もわずかに下回ったこと、米国で新型コロナウイルスの感染拡大で、行動規制を再び強化する動きも出ていることでの経済の正常化が遅れ、原油需要の低迷が長引くとの見方が相場の重荷となって、上げ幅が限定的となった。OPECプラスの8月から大規模な協調減産の縮小も下押しした。
2020/07/31 ICE BRENT 反落 2020年9月限:43.30$/bbl ↓ +0.36$/bbl
2020/07/30 NYMEX WTI 反落 2020年9月限:39.92$/bbl ↓ −1.35$/bbl
7月30日は反落。一時は38.72ドルと7月上旬以来の安値を付けた。4~6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が前期比で年率32.9%減と過去最大の減少幅が示されたことや、週間の新規失業保険申請件数や失業給付の継続受給者数が前週比増加したことから、市場では米景気の弱含みが鮮明となり原油需要の回復には時間がかかるとの見方が広がって、売りが高まった。
2020/07/30 ICE BRENT 反落 2020年9月限:42.94$/bbl ↓ −0.81$/bbl
2020/07/29 NYMEX WTI 反発 2020年9月限:41.27$/bbl ↑ +0.23$/bbl
7月29日は反発。米エネルギー情報局(EIA)が29日発表した週間の石油在庫統計で、24日時点の米国の原油在庫は前週比1,060万バレル減と予想を上回る減少となったことに加え、米株式相場が堅調に推移したことも、同じリスク資産である原油の買いを誘った。
2020/07/29 ICE BRENT 反発 2020年9月限:43.75$/bbl ↑ +0.53$/bbl
2020/07/28 NYMEX WTI 反落 2020年9月限:41.04$/bbl ↓ −0.56$/bbl
7月28日は反落。米国の共和党議会指導部が発表した1兆ドル規模の経済対策案で、失業給付の上乗せ分が減額され、上乗せ額の維持を主張する民主党との調整が難航し、法案成立が8月以降にずれ込むとの観測が浮上したことから、7月末で打ち切られる現行の支援策が一時的に途切れれば、米景気回復が遅れるとの懸念が拡がり、需要期待感が薄れて、売りが入った。
2020/07/28 ICE BRENT 反落 2020年9月限:43.22$/bbl ↓ −0.19$/bbl
2020/07/27 NYMEX WTI 続伸 2020年9月限:41.60$/bbl ↑ +0.31$/bbl
7月27日は続伸。ドル安を受け、ドル建てで取引される原油の割高感が薄れたとして買いが入ったが、コロナの感染再拡大や米中関係の対立が世界経済の回復に悪影響を及ぼすとの懸念から、原油を下押して、上げ幅を縮小した。
2020/07/27 ICE BRENT 続伸 2020年9月限:43.41$/bbl ↑ +0.07$/bbl
2020/07/24 NYMEX WTI 反発 2020年9月限:41.29$/bbl ↑ +0.22$/bbl
7月24日は反発。IHSマークイットが24日発表した7月のユーロ圏の購買担当者景気指数(PMI)速報値は、製造業とサービス業を合わせた総合が2年1カ月ぶりの高さとなり、市場予想も上回ったことから、経済活動の制限が緩和され、欧州景気が改善に向かっていると受け止められて、買われた。主要通貨に対するドルの総合的な価値を示すドル指数が24日に年初来安値を更新し、ドル建てで取引される原油先物相場の割安感が強まり、買いが入りやすくなった面もあった。しかし、石油会社ベーカー・ヒューズが発表した原油生産に使う掘削装置(リグ)の北米の稼働数が増加に転じて、原油供給量が増え、北米の需給が緩むとの警戒が強まり、上値を抑える一因になった。
2020/07/24 ICE BRENT 反発 2020年9月限:43.34$/bbl ↑ +0.03$/bbl
2020/07/23 NYMEX WTI 続落 2020年9月限:41.07$/bbl ↓ −0.83$/bbl
7月23日は続落。前日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の米石油在庫統計で、原油在庫が490万バレル増と市場予想(100万バレル増)を大幅に上回って増え、生産量も増えたことに嫌気して、売られた。コロナの感染拡大が深刻な米国の州では経済活動が再び制限され、23日発表の週間の米新規失業保険申請件数は141万6000件と16週ぶりに増え、市場予想も上回理、経済正常化が遅れ、ガソリン需要などが伸び悩み、需給が緩むとの観測がこの日も相場の重荷となった。
2020/07/23 ICE BRENT 続伸 2020年9月限:43.31$/bbl ↓ −0.98$/bbl
2020/07//22 NYMEX WTI 小幅反落 2020年9月限:41.90$/bbl ↓ −0.02$/bbl
7月22日は小幅反落。米エネルギー情報局(EIA)が22日発表した週間の石油在庫統計で17日時点の原油在庫が前週比490万バレル増が示され、米国でのコロナ感染者数増加と経済活動を制限する地域が出ており、原油需要の減少が示されたことで売りが入った。ただ、原油相場の下値は堅く、前日終値を上回る場面もあった。ロシアが8月初めの原油輸出を減らすと伝わり、好感した買いが入った。米ダウ工業株30種平均が3日続伸し、株と同じリスク資産である原油先物が買われやすい面もあった。
2020/07/22 ICE BRENT 小幅反落 2020年9月限:44.29$/bbl ↓ −0.03$/bbl
2020/07//21 NYMEX WTI 続伸 2020年8月限:41.96$/bbl ↑ +1.15$/bbl
7月21日は続伸。一時42.40ドルと期近物として3月6日以来ほぼ4カ月半ぶりの高値を付けた。EU首脳が新型コロナで打撃を受けた経済を立て直すため、復興基金7,500億ユーロの創設で合意し、新型コロナで打撃を受けた欧州経済の回復を支えることから、欧州の株式相場が軒並み上昇し、米株市場のダウ工業株30種平均も上昇したことを受けて、原油市場の買いも高まった。
2020/07/21 ICE BRENT 続伸 2020年9月限:44.32$/bbl ↑ +1.04$/bbl
2020/07//20 NYMEX WTI 反発 2020年8月限:40.81$/bbl ↑ +0.22$/bbl
7月20日は反発。新型コロナウイルス感染症のワクチン開発で、英製薬のアストラゼネカが、英オックスフォード大と初期の臨床試験で強い免疫反応を確認したと発表したことや、米製薬のファイザーも同日、独製薬ベンチャーと共同開発するワクチンで好結果が得られたと発表したことから、ワクチン開発が経済活動再開を促し、原油需要が増加するとの期待感から、買いが高まった。また、前週末に石油会社ベーカー・ヒューズが発表した原油生産に使う掘削装置(リグ)の米国の稼働数が18週連続で減り、需給改善の期待感も買いを高めたが、米国の各州で新型コロナウイルス感染者数の増加が下押しし、上げ幅は限定的となった。
2020/07/20 ICE BRENT 反発 2020年9月限:43.28$/bbl ↑ +0.14$/bbl
2020/07//17 NYMEX WTI 続落 2020年8月限:40.59$/bbl ↓ −0.16$/bbl
7月17日は続落。ジョンズ・ホプキンス大学の集計で米国の新型コロナウイルスの1日当たりの新規感染者数が16日に7万7,000人を超え、過去最多となったことでの経済活動への影響で売りが高まったが、新型コロナのワクチン開発が進むとの期待、石油会社ベーカー・ヒューズが発表した米原油生産に使う掘削装置(リグ)稼働数が小幅ながら18週連続で減ったこと、米株式市場でナスダック総合株価指数が上昇し、投資家心理の持ち直しにつながったことも原油先物の押し目買いを誘い、下げ幅が縮小した。
2020/07/17 ICE BRENT 続落 2020年9月限:43.14$/bbl ↓ −0.23$/bbl
2020/07/16 NYMEX WTI 反落 2020年8月限:40.75$/bbl ↓ −0.45$/bbl
7月16日は反落。新型コロナウイルスの感染拡大による米国の経済活動の正常化が遅れており、当面は原油需要回復が鈍るとの見方も相場の重荷となったことに加え、中国の株式市場の株価が急落し、米国の株式市場の株価も反落したことを受けた売りが高まり、前日の原油市場での約3週ぶりの高値もあって、利益確定売りも入った。
2020/07/16 ICE BRENT 反落 2020年9月限:43.37$/bbl ↓ −0.42$/bbl
2020/07/15 NYMEX WTI 続伸 2020年8月限:41.20$/bbl ↑ +0.91$/bbl
7月15日は続伸。一時は41.26ドルと3週間ぶりの高値を付けた。前日の夕に、米バイオ製薬のモデルナが開発中のワクチンの初期の臨床試験で、参加者全員にウイルスの抗体が生成されたと発表し、近く最終段階の試験に入る予定で、ワクチンの実用化が近づいたと受け止められて、買いが高まった。OPECとロシアなど非加盟国からなる「OPECプラス」が、世界の原油供給の10%に当たる日量970万バレル(970万b/d)の減産を、8~12月にかけて、770万b/d以下にすることを発表したが、事前の折り込み済みであったことから、相場への影響は限定的であった。
2020/07/15 ICE BRENT 続伸 2020年9月限:43.79$/bbl ↓ +0.89$/bbl
2020/07/14 NYMEX WTI 反発 2020年8月限:40.29$/bbl ↑ +0.19$/bbl
7月14日は反発。同日発表されたOPECの7月月報で、2020年の原油需要見通しを引き上げたこと、石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟国からなる「OPECプラス」が15日に主要産油国閣僚会議(JMMC)を開催する予定であり、7月までのOPECプラスが日量970万バレル(970万b/d)の協調減産を続けているなかで、減産量の順守が示される可能性があることで買われた。しかし、米国各州での新型コロナウイルスの感染者増加での経済活動への影響が下押しし、上値は重かった。
2020/07/14 ICE BRENT 反発 2020年9月限:42.90$/bbl ↑ +0.18$/bbl
2020/07/13 NYMEX WTI 反落 2020年8月限:40.10$/bbl ↓ −0.45$/bbl
7月13日は反落。OPECとロシアなど非加盟国の「OPECプラス」が、5月から日量970万バレル(970万b/d)の協調減産を続けているが、「サウジアラビアなどが8月から減産規模を日量770万バレル(770万b/d)に緩めるよう提案している」と報じられ、200万b/d減産を止めることから、市場で「新型コロナウイルスの感染拡大で経済活動の正常化は遅れており、目先の需要持ち直しで減産を縮小するのはまだ早い」との見方が強まり、需給改善が鈍る可能性を意識して、売られた。
2020/07/13 ICE BRENT 反落 2020年9月限:42.72$/bbl ↓ −0.52$/bbl
2020/07/10 NYMEX WTI 反発 2020年8月限:40.55$/bbl ↑ +0.93$/bbl
7月10日は反発。IEAの10日の月報が、2020年の世界の石油需要を対前年比790万バレル減少の日量9,210万バレル(9,210万b/d)の見通しを発表したが、4~6月期の上振れを反映し、6月時点の予想から40万バレル引き上がり、新型コロナウイルスによる世界的経済活動の制限が徐々に緩和されて原油需要の持ち直しが示されこと、ダウ工業株30種平均が反発したことも受けて、買い優勢となった。しかし、米国のコロナの新規感染者数は9日に過去最多を更新したことが下押しした。
2020/07/10 ICE BRENT 反発 2020年9月限:43.24$/bb ↑ +0.89$/bbl
2020/07/09 NYMEX WTI 急反落 2020年8月限:39.62$/bbl ↓ −1.28$/bbl
7月9日は急反落して再び40ドルを割った。新型コロナの新規感染者数がフロリダやカリフォルニア州などを中心に増え続け、株式市場でダウ工業株30種平均が大きく下がり、投資家の高リスク資産とされる原油を売る動きを促したことに加え、米国エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で原油在庫が大幅に増えたこと、WTIの現物引き渡し地点であるオクラホマ州クッシングの原油在庫も増加したことから、相場の重荷となって、売りが強まった。
2020/07/09 ICE BRENT 反落 2020年9月限:42.35$/bb ↓ −0.94$/bbl
2020/07/08 NYMEX WTI 反発 2020年8月限:40.90$/bbl ↑ +0.28$/bbl
7月8日は反発。新型コロナウイルスで落ち込んだ中国経済の回復を示唆する経済統計の発表が相次いで中国経済の好調さから、上海株式相場が続伸して2018年2月以来およそ2年5カ月ぶりの高値となったことでの原油需要への期待感の高まりで買われたが、米エネルギー情報局(EIA)の週間在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して前週比増加し、米国の需給悪化を警戒した売りが入り、上げ幅が縮小した。
2020/07/08 ICE BRENT 反発 2020年9月限:43.29$/bb ↑ +0.21$/bbl
2020/07/07 NYMEX WTI 小幅続落 2020年8月限:40.62$/bbl ↓ −0.01$/bbl
7月7日は小幅続落。米エネルギー情報局(EIA)が8日に発表する週間在庫統計で原油が2週続けて減る見込みであること、ガソリンも減少する予想から買われたが、アリゾナ州やテキサス州など複数の州でコロナの入院患者数が増加基調にあり、経済活動の再開が一部で停止していることから、エネルギー需要が伸び悩むとの見方から売られ、小幅に下げて引けた。
2020/07/07 ICE BRENT 小幅続落 2020年9月限:43.08$/bb ↓ −0.02$/bbl
2020/07/06 NYMEX WTI 小幅反落 2020年8月限:40.63$/bbl ↓ −0.02$/bbl
7月6日は小幅反落。新型コロナの感染者数が米南部や西部では過去最多水準が続いたことで売られたが、米サプライマネジメント協会(ISM)が6日に発表した6月の非製造業景況感指数が過去最大の上げ幅となり、好不況の境目となる50を3カ月ぶりに上回り買いを誘い、売り買いの交錯する展開となり、小幅に下がった。
2020/07/06 ICE BRENT 小幅反落 2020年9月限:43.10$/bb ↓ −0.04$/bbl
2020/07/03 NYMEX WTI 2020年8月限:N.A.(通常取引)
7月3日は米独立宣言の振替休日で休場。時間外取引40ドル台前半、前日からは下げての揉み合い、日本時間7月4日02:00現在の時間外取引では40.32$/bbl。
原油でアジア市場の指標となる中東産ドバイ原油のスポット価格は日本時間の7月3日午後、上昇した。取引の中心となる9月渡しは1バレル42.80ドル前後と前日に比べ0.60ドル高い水準で推移。
2020/07/03 ICE BRENT 2020年9月限:N.A.(通常取引)
2020/07/02 NYMEX WTI 2020年8月限:40.65$/bbl↑+0.83$/bbl 7月2日は続伸。再び40ドルを超えた。米国内の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を大幅に上回って増え、失業率は市場予想を下回り、経済活動の再開が進んでいると受け止められた米株相場の上昇もリスク資産の原油先物の買いを誘い、ベーカー・ヒューズのリグ稼働数が16週連続で減り、約11年ぶりの低水準となり、米国内の供給抑制につながるとの見方も相場を支えた。翌日から米独立宣言の振替休日の3連休となり、持ち高調整や利益確定売りが出て、相場の上値を抑えた。
2020/07/01 NYMEX WTI 反発 2020年8月限:39.82$/bbl ↑ +0.55$/bbl
米エネルギー情報局(EIA)の週間の石油在庫統計で、原油が減少幅を市場予想以上の大幅減少したことに加え、原油輸入が主要産油国による協調減産で大きく減ったこと、精製施設の稼働率の上昇も寄与したことで、原油需給改善が進むとの観測が広がって買われた。一時は、米アリゾナ州が新型コロナウイルスの1日当たりの感染者数と死者数が過去最高になった発表を受けて、売られる場面もあったが、米サプライマネジメント協会(ISM)の6月の製造業景況感指数は52.6と市場予想(49.5)を上回り、好不況の境目である50を4カ月ぶりに超えたことが買いを誘った。
2020/07/01 ICE BRENT 反発 2020年9月限:42.03$/bb ↑ +0.76$/bbl(8月限 41.13最終 −0.02)